
2023.03.31
トータルメゾンとなって3シーズン目となる今春、2回目の春夏コレクションということで洗練度が増しているPT TORINOから新作が届きました。「パンツこそメンズスタイルの主役」と言い続けてきたメゾンが、ボトムズから描くトータルルックは、メンズクラシックの新たな時代を描き出しています。
・ピーティートリノ / ウール&モヘア 4Bジャケット 149,600円
・ピーティートリノ / ウール&モヘア 2プリーツワイドパンツ(DICIANNOVE) 53,900円
・ピーティートリノ / シャツ 41,800円
・ピーティートリノ / ベルト 34,100円
4Bダブルのジャケットにワイドシルエットのテーパードパンツというセットアップスーチーング。ジャケットは3パッチ&ノッチドラペルという、クラシックの方程式には収まらないクリエーションで、デザイナーズブランドとしての様相を強めています。着丈も程よく長めなうえに、肩の構築はしっかりとパッドを使っているあたり、従来のアンコン一辺倒とは一線を画す未来を見据えていることがわかります。
近年ワイド化傾向にあるボトムズも、新しいモダニズムを感じさせるシルエットです。パンツは2プリーツでワタリは太く、適度に膝下がテーパードしている80's感あるものになっていました。量感あるジャケットとの取り合わせによって、全体的にビッグシルエットを標榜しながら品格あるメンズクラシックの派生系としての枠内に収める辺りは、クラシックを熟知しているからこそ。+モードの感性にジャストインするモダンクラシコの今を彷彿とさせるのです。
インに合わせたシャツのカラー、足元のビットシューズまでがノーブルな感覚で、いわゆる「カジュアル」とはまったくの別物。どこかにドレススタイルの意識を漂わせながら、より気軽にスーツを楽しもうという積極的な想いすら感じさせるではありませんか。
こちらのジャケット、裏地はドット柄になっていました。見えないところにこだわる辺りは、お洒落への気心を感じさせます。イタリア男の、こういうところ、江戸っ子の気心と通じているようです。
細幅ベルトを使うコーデからは80’sルックのからの影響も見られ、最新の+モードを随所に感じさせるデザインとなっていました。ベルトループをあえて細くしていたり、2プリーツのゆったりドレープが浮くウエストに細ベルトを巻くバランス感は、現代的で自由な感性の表れですね。
・ピーティートリノ / ストレッチコットン 2B スーツ 156,200円
・ピーティートリノ / ドットプリント シャツ 41,800円
・ピーティートリノ / ベルト 34,100円
こちらは1Bシングルのスーツスタイル、細身に見せながら、やや長めの着丈はこれまでのカジュアルスーチングとは違って、優雅な趣を漂わせます。ちょっと余裕のあるビッグシルエットと、深いVゾーンのバランス感覚がモードのエッセンスを漂わせ、退廃的に開けたシャツの胸元も計算尽くで、職人仕事を駆使した崩し方であることが伝わってきます。
ラペルはナロウの領域ですが、微妙に曲線を描いていたり、ゴージラインの角度を低くとり、ノッチにはフィッシュマウスを採用。エレガンスを地で行くメンズスーツという打ち出しが光っています。もちろん肩構築はしっかりパッド入り。クラシック回帰を最新のモードと解釈する、PT TORINOの考え方は、モードに昇華したクラシックスタイルのフィロソフィーが、いま正に転換期にあることをも示しているようです。
先程のダブルと同じく、こちらのシングルもライニングはドット柄。しかも今回合わせたドット柄のシャツは、こちらのスーツのライニングと同じキュプラ風の素材を使っていました。ジャケットとパンツをセットアップしたスーツだけでなく、ライニングとシャツをセットアップするという斬新なスーチングを打ち出すPT TORINO。クラシックを自由に遊ぶその感性には、今後も大いに期待したいところです。
・ピーティートリノ / プリント オープンカラーシャツ 41,800円
・ピーティートリノ / ウール混ストレッチ 2プリーツ セミワイドパンツ(VENTI) 49,500円
・ピーティートリノ / ベルト 34,100円
・ピーティートリノ / ウール混ストレッチ 4B ジャケット 128,700円
最後に一点、シャツのコレクションから。今季PT TORINOはハワイアン風の開襟シャツを多彩に展開しています。これらのシャツは、スーツに合わせたり、ジャケットを羽織ったりと、ドレスシャツ替わりに着こなしながら、ちょっと不良っぽいリゾートスタイリングとして提案されたもの。シャツの胸元は深く、袖丈は五分。ヘムラインはスクエアカットでサイドスリットに後ろ身頃長め仕様というスポーティなスタイルとなっているので、パンツインはもちろんですが、羽織る着方もサマになります。
パンツのカテゴリーでは、Activeラインをリリースして以降、新たな領域に踏み入れたPT TORINO。スーツからドレスシャツまで、新しい解釈でメンズスタイルを提案するその力量は、3シーズン目にしてもはや繚乱。こんなのまだまだ序の口とばかりに、この後もパワー全開のコレクションが揃い踏みしています。置いていかれないように、目を離さないほうがよさそうです。
商品に関するお問い合わせ先
PT JAPAN: 03-5485-0058
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