
2020.10.22
ワンマイルウェアにカシミヤニットは、リッチな大人の定番トップス。戸賀敬城が見つけた、いま話題のカシミヤブランドをご紹介いただきました。これが、普通のカシミヤと思ったら大間違い! それはエレガントなのにタフネスな、これまで見たことのない、ラグジュアリーとスポーティで+モードを兼ね備えた最新のカシミヤだったんです。
リッチな大人のトップスが上質でシンプルなニットなのは、戸賀さんの普段着を見ていればわかりますよね。たとえば黒のシルク×カシミヤのニットにブラックデニム、それだけで+モードでモダンなリラックススタイルが感性するのですから。
「仕事のときでも部屋着でも、こういうシンプルなスタイルのときは、高品質なカシミヤニットを着たいもの。型崩れしにくいし、良いニットは色の出方が違うからね。白ならピュア白、黒なら深みがある黒になるからコーディネートも一枚上手の感が出せる。この黒ニットの深い色合い、手にしてみればすぐにわかると思うよ。」
シルク×カシミヤ×ウールを使った、ごくごくシンプルなクルーネックニットですが、厳選した原毛から編み立てられた戸賀さんの眼鏡に適った一着。いつもシーズンごとに新着ニットを揃える戸賀さんが、いま注目しているマンリコカシミヤからのセレクトです。
「メイド・イン・イタリアのニット専業ブランドとして、知る人ぞ知るメーカー。名前にカシミヤと入るのは、それだけ自信があるってことが表れているよね。定番のシルク×カシミヤは、ヤバいぐらい吸い付くタッチ。トロトロなのにサラリとしていて、ウールの混率がすごく上手いんだ。研究し尽くしているんだろうなっていう感じが伝わってきます。」
と、シルカシニット大絶賛する戸賀さんですが、「じつは、このブランドには、本命として狙ってる凄いカシミヤニットがあるんだ」とのこと。さらに紹介してもらいました。
▲ マンリコ カシミヤ / クルーネック ニット / SUPER CASHMERE
「これ、とにかく触ってみて欲しいんだけど、マンリコカシミヤのシグニチャー、SUPER CASHMERというんです。いま狙っているのは、こっちのニット。値段は倍するけれど、カシミヤ好きとして持っておきたい一枚です。今、どの色にしようか悩み中なんだ。」
なるほど確かにタッチはカシミヤのようでカシミヤじゃない、というかこんなカシミヤ触ったことないですね。特有のヌメりは抑えられているけど、空気を含んで極上にやわらかくて、それでいてスポーツウエア風のしっかり感もあります。表面の毛羽立ちが少なくて、ほんのり光沢まであるんですね。
「カシミヤのなかでも、もっとも繊細といわれる内モンゴルの特別な地域でしか採れないアラシャンカシミヤ。その原毛を強撚してナチュラルなストレッチ性をもたせた糸で編んだ、ものすごくハイゲージのリブニットです。編地が密だからスウェットみたいに伸びるのに、ちゃんとキックバックしてフィットする。デリケートなのにタフさも兼ね備えたカシミヤのスポーツウェア。って、いままでのカシミヤの常識を覆すよね!」
▲ マンリコ カシミヤ / ショートスリーブ ニットT / CASHMERE
さらにもう一点、カシミヤ100の半袖ニットを紹介していただきました。こちらはニットとはいえ、ルックスはTシャツ顔。それなのにカシミヤ素材という贅沢な一品。いま時分はインナーとして素肌に着ても心地良い温かさで、部屋着としてならとってもリラックスできそうな肌触りです。
「梳毛のカシミヤ糸をTシャツ風に薄手に編み立てた半袖ニット。裾も袖もリブじゃなくてバインディング仕上げだから、Tシャツみたいだよね。誰にでも着られるし、通年使いだってできる。一枚で着てもいいけど、白Tシャツをのぞかせて重ねたら、スポーティなヌケ感ある着こなしになるのでは?」
仕事に行けるワンマイルウェアが注目されている時代に、カシミヤのTシャツやセーターの重要性はますます高まってきそうな気配。そこにドンピシャなスポーティカシミヤは、これからさらに注目度が上がりそうです。
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎