
2019.09.12
ジャケットにはクルーネックニットを合わせる最近の戸賀敬城も、サファリジャケットのようなカジュアルアウターには、あえてドレスシャツを合わせるのが流儀。その理由は上質な素材と、ほのかに薫るナポリシャツのオーラにありました。
▲ アヴィーノ / カシミア混ドレスシャツ
▲ デ・ペトリロ / カシミア混 コーデュロイ サファリジャケット
▲ PT01 / 1プリーツ ストレッチ ライトフランネル パンツ (スペシャル リクエスト モデル)
最近はジャケットにクルーネックのニットを合わせることが多い戸賀さんですが、今回はサファリジャケットにドレスシャツというコーディネート。こういう合わせ方なら、ラフ過ぎずほどよく品よく着こなせるというわけです。
「サファリジャケットって、今季のトレンドアイテムなので、手を出してみたいんだけど、どう着たらいいのか分からないっていう人も多いと思うんです。僕なら、あえてインナーはドレスシャツを合わせるかな。サファリ=カジュアルっていうイメージを逆手にとって、大人っぽい着方にすることで差をつけたいので。」
昨今、ノータイでドレスシャツを着る方が増えていますが、テーラードジャケットにノータイスタイルは、物足りなさを感じる人もいるようですので、そういう方にサファリジャケットをおすすめするのもよろしいかと。しかもこのサファリジャケットはデ・ペトリロ。コーデュロイを使ったカジュアルジャケットなのですが、ナポリのファクトリー謹製らしく細身でエレガントな印象に着られる一枚です。
「黒はクラシックの色じゃないからって、イタリアンクラシックでは敬遠するんですが、その点でデ・ペトリロは柔軟です。昨シーズンはモノトーンのコレクションをリリースしていたし、今季はブラック&ホワイトも取り入れてモード的なイメージも取り入れています。さすがにパリやミラノのモード系デザイナーズブランドは着られないという人も、これなら余裕で着られるのではないでしょうか。」
そんな黒のサファリジャケットを、大人っぽく着るポイントが今日のドレスシャツだという戸賀さん。たしかに、ブロード生地の白いドレスシャツではないですね。そのあたりに秘密がありそうです。
サファリジャケットに合わせたドレスシャツはアヴィーノのもの。デ・ペトリロと同じナポリのカミチェリア(シャツ屋)です。これまでいくつもナポリシャツを着てきた戸賀さんが、愛用するブランドのひとつで、衿羽根が小さめですっきりと美しいフォルムがお気に入りとか。
「今日のシャツはカシミヤ混で、フランネルほどではないけれど、ほんのり表面にカシミヤの繊細な起毛感があるんです。肌触りがとってもやわらかくて、さらっとしていて、気持ちいいのはもちろんだけど、これはたぶん冬でも着たときに冷やっとしないのでは。」
しかもこのシャツ、オフ白とでもいうべきか、ほんのりベージュカラー。カシミヤそのものの色合いでしょうか、自然なニュアンスカラーとなるのも大人の余裕を感じさせます。
「真っ白なシャツも好きだけど、ときに銀行でも行くの?というスタイルになってしまうことも。そんなとき、ほんの少し色味があるだけで印象がとてもやわらかくなると思うんです。ネイビーのジャケットはもちろん、グレーのスーツにも合うし、硬すぎず、エロくなく、チャラく見えない。白はフォーマルで背筋が伸びるイメージだけど、ベージュには大人を品よくカジュアルに見せてくれるオーラがあるように思います。」
戸賀さんが着ているアヴィーノのシャツは、従来の8ポイント (衿・ヨーク・アームホール・ボタンホール・ボタン付け・ガゼット・カンヌキ・前立て) ハンドモデル。今季は、新しく4ポイント (衿・アームホール・ボタン付け・ガゼット) ハンドモデルが登場して、さらに買いやすくなりました。着心地に関わる襟とアームホールはそのまま、ナポリシャツがこだわりるボタン付けとガゼットは職人の矜持を残したもの。入門編にはこちらもよろしいかと。「Avino」の筆記体ロゴが目印です。