
2018.09.13
タイドアップしないジャケパンスタイルのとき、インナーは何を着るべきでしょうか。Tシャツ? ポロシャツ? クルーネックのカットソーやニットにジャケットを羽織る着流し方はすっかり定着しましたし、ニットポロを着るトレンドもありました。とはいえドレスシャツのボタンを2つほど開けて着るのが、大人カジュアルの定番着こなし。それは、いつの時代にも通じるものです。実際、戸賀さんもノータイシャツにジャケットを羽織ったスタイルで、仕事も遊びもオールオケージョンをこなします。
この日はAVINOのカシミヤ混シャツにベルトレスのヘリンボーンパンツというコンビネーションで秋を先取り。ほんのりメランジ調のシャツはじつに優雅で、淡いベージュにライトグレーパンツという配色が、カジュアルな着こなしに上品さを醸しています。
「ドレスアップするときは絶対白シャツを着ますが、最近、このトーンの配色が気に入っているんです。カジュアルなときは淡いベージュトーンのシャツがリラックス感もあるので。気心知れた相手との会食や打ち合わせなら、肩肘張らないスタイルで臨みたいですからね」。
最近モダンクラシックなスタイリングに傾倒している戸賀さん。ナポリブランドのほどよい色気と着やすさが、いまの気分にぴったりなのだとか。しかもネイビー一辺倒だったスーツ&ジャケットに、ベージュという新たな色を得たことで、落ち着いた大人のスタイルが確立したようです。
「男はある程度の年齢になったら、不良っぽいより知的なほうがいい。チャラついた遊び人風より、多少余裕があって落ち着いて見えるほうが、男女問わず安心してもらえるし断然モテる。そのためにも、ベージュ系の色使いは有効ですよね。それにベージュって素材が良くないと上品なニュアンスあるトーンが出ないんですよ。化繊のベージュとカシミヤのベージュとでは全然違うように、上質なカシミヤをブレンドしているからこそ、この品の良い発色となるんです」。
すっかりベージュに傾倒している戸賀さん。ディレクターやスーパーバイザーを務めるブランドでも、来春のコレクションにベージュカラーのラインナップを増やしているのだそうです。
「今日はジャケットを脱がないと決めて、きっちりタイドアップする日はオーダーで仕立てた白いドレスシャツを着ます。ぎりぎりを攻めてボディにフィットさせたオーダーシャツは、Vゾーンにシワが入らないのでスーツがキリッと引き締まりますから。でも、ジャケットを脱いだときに体のラインを強調し過ぎてしまうのが困りもの。そういうときはナポリの既製品シャツのほうが、ほどよく余裕がありながらスタイルよく見せてくれるんです」。
B.R.SHOP別注のAVINOは、肩とアームホールのフィット感を重視して身幅をスリムに見えるようアレンジ。フロントダーツをとらずにパターンとカッティングだけで、ほどよいウェストシェイプを利かせたボディを採用しています。ノータイの衿元を優雅に見せてくれるのは、ほどよい襟開き角のワイドカラー「C30」。ボタンを2つ開けても胸元がはだけすぎないように、ボタン位置も設定されています。
「レストランでジャケットを脱いだときにアピールできるのは高級時計ぐらいしか無いと思っていたけれど、AVINOならシャツイチでも勝負できる。ジャケットでもレザーブルゾンでもキマるし、デニムに合わせてもオーラが違うんですよ。ラグジュアリーなドレスシャツならいくらでもあるけど、カジュアルなのに上品っていうシャツは意外と無いんじゃないかな」。
巧みな配色と、リッチでモダンな大人の印象を引き立ててくれる好例。このままポチって組み合わせれば、間違いなく戸賀さんと同じスタイリングがマネできるというわけですね。
戸賀 敬城 さん
1967年、東京生まれ。編集者。ハースト メンズ メディア ブランド アンバサダー。その他、多くのメディアや、ファッション、車、時計、ビューティー用品など、様々な有名ブランドのディレクターやアンバサダーを兼任している。
学生時代からBegin編集部(世界文化社)でアルバイト、大学卒業後にそのまま配属となる。1994年Men’s Ex(世界文化社)の創刊スタッフ、2002年Men’s Ex編集長に。2005年時計Begin(世界文化社)編集長、及びメルセデスマガジン編集長兼任。2006年UOMO(集英社)エディトリアル・ディレクター就任。10代目MEN'S CLUB編集長。エスクァイアBBB日本創刊編集長。レクサスマガジン「ビヨンド」元編集長(ハースト婦人画報社)
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