
2018.02.09
この日は、Vネックのカットソーにグレスラ&スニーカーというシンプルな戸賀さんをキャッチ。ベーシックなアイテムこそMY定番という戸賀さんに相応しいスタイリングですが、この日はちょっと違うのだとか。それというのも、このパンツは普通のグレスラじゃないのだそう。
「一見普通のプリーツパンツですが、じつはウェストがゴムなんです。ベルトループはあるんですが、そのまま履いてフィット感が抜群。しかもこういうふうにトップスをアウトするスタイリングだとウェストが見えないので、周りにもバレません。きちんと品よく見えるのに、穿いている本人は部屋着のイージーパンツ感覚っていう、この春のイチオシパンツなんです」。
「ナンバーエム」は、2016年秋にデビューしたエラスティックパンツブランドです。オーダーブランド「ミカコ ナカムラ」のデイリーブランドとして、2008 年より展開をはじめた「エムフィル」のウエストゴムパンツが大人気となり、ブランドとして独立しました。
「梳毛ウールにストレッチを混紡した素材も、あたりがサラッサラですごく気持ちいいんでよ。プリーツが入っていますが、若い人向けのモードなパンツのようなものではなく、あくまでシルエットは大人が穿けるシルエットです。週末ゴルフの練習場に行って、帰りにグランドハイアットのフィオレンティーナで軽く食事したり、なんなら箱根ぐらいまでドライブにも行けそうです。それにベルトループがあるのは、ゴルフをするのにも都合がいいんです。ちゃんとベルトをすれば、このままコースに出られそうですし。名門ゴルフ場ほど、グリーンに出るのにベルトと靴下は必須ですからね」。
「ナンバーエム」のエラスティックパンツの履きやすさの秘密は、文字通りウェストのゴム。1本のゴムを二つに折った「ダブルゴム」が身体を締め付けず、ウエストを包み込むようなホールド感が快適です。
「ストレッチ混のパンツはいろいろあるけど、この素材はサラッとしていて気持ちいいんです。良質なポリウレタンを混紡しているので2WAYストレッチが効いています。糸の状態と生地になってからの2回、毛羽をカットする加工がされているので上品な艶もある。進化系パンツも楽チンなだけでなく、ちゃんとドレッシーっていうのが大人には必要だと思います」。
スタイリングがシンプルなこともあり、戸賀さんは腕時計でガツンとスパイスを加えています。こちらのリシャール ミルは、戸賀さんが独立記念に購入したモデルとしてすっかりお馴染みです。
「ベルトは最初黒だったんですが、白のラバーベルトを昨年秋に注文しました。カーボンケースを強調したかったというのもありますが、白ベルトになったら格段につけやすくなりました。スーツに合わせるより、ジャケットスタイルやカジュアルなスタイリングに合わせるようにしているので、今日みたいなコーディネートにはリシャール ミルが結構つかえるんです」。
カルティエのビスモチーフブレスとの重ね付けも、シンプルコーデの腕元にジャラリとバランスよく馴染んでいます。
足元には見慣れないスニーカーが。こちらは戸賀さんが今、お気に入りのイタリアブランド「アーバン サン」。90年代のストリートファッションをイメージしたダイナミックなデザインが今あえて新鮮なモデリングです。
「スイートイヤーズなど、イタリアのストリートファッションブランドの仕掛け人だったデザイナーが手がけていて、イタリアでも人気のセレクトショップで扱われています。100%メイド・イン・イタリーで、ナイロンパーツはリモンタ、レザーパーツはサンタクローチェと錚々たるメーカーが協力しているんです。迷彩柄のミッドソールやヒールカウンターのハンドルタブなど、細部も効いているでしょ。今季は白スニが流行っていますが、このぐらい遊び心あるスニーカーも良いと思うんです」
「ホントなら白スニに白いシューレースといきたいのだけれど、紐が汚れてしまうと白スニって途端にみすぼらしくなるのがイヤで」と、この日は迷彩柄のシューレースをセット。軽快な足元は、軽快な楽パンにぴったりというわけで、戸賀さん今日はこの後、ゴルフの練習場へ向かわれました。
戸賀 敬城 さん
1967年、東京生まれ。編集者。ハースト メンズ メディア ブランド アンバサダー。その他、多くのメディアや、ファッション、車、時計、ビューティー用品など、様々な有名ブランドのディレクターやアンバサダーを兼任している。
学生時代からBegin編集部(世界文化社)でアルバイト、大学卒業後にそのまま配属となる。1994年Men’s Ex(世界文化社)の創刊スタッフ、2002年Men’s Ex編集長に。2005年時計Begin(世界文化社)編集長、及びメルセデスマガジン編集長兼任。2006年UOMO(集英社)エディトリアル・ディレクター就任。10代目MEN'S CLUB編集長。エスクァイアBBB日本創刊編集長。レクサスマガジン「ビヨンド」元編集長(ハースト婦人画報社)
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