
2024.04.19
ナポリスタイルの開祖として知られるロンドンハウスで研鑽を積み、その後はイザイアやアットリーニなど、錚々たるブランドでVMDとして活躍したティト・アレグレット氏。自身のシグニチャーブランドは、ウェルドレッサーとしてとして名高い彼のスタイルを、余すところなく反映するコレクションです。
・ティト アレグレット / ストライプ 6ボタン ジャケット 185,900円
・マリア・サンタンジェロ / リネン ワイドカラーシャツ / ベージュ 39,600円
・ビー・アール・ショップ / シルク ニットタイ 12,100円
・ピーティートリノ / ストレッチウール 1プリーツパンツ 51,700円
・ジャコメッティ / スウェード モンクストラップ 117,700円
今ナポリでもっとも現代的なコレクションを展開しているブランドは? と尋ねたら、多くの人がティト・アレグレットの名前を挙げるのではないでしょうか。ピッティスナップの常連で、今年も数々のメディアパパラッチに、彼の写真が掲載されていましたが、そのどれもがクラシックをモダンに仕上げた絶品のスタイルでした。クラシックなサルトリアーレに従事しながら、VMDとして手腕を発揮し、ウィンドーディスプレイのスタイリングに長けた手腕は、後にラルフローレンのディスプレイコンテストで2度の優勝を果たしたという伝説的な経歴が物語っています。
そんなティトアレグレットの今季の新作が届きました。
ジャケットの重量を分散する上襟は、高度なアイロンワークが求められる継ぎ目のない一枚襟仕立て。着心地を左右するアームホールの裏地や襟裏などは手作業を用いるのもこだわりの仕様です。前身裏地の取り付け方など個性的なディテールに加え、ナポリらしいマニカカミーチャも継承。通常ダブルで配されるコバステッチを、あえてシングルでモダンに仕上げている点は、BRのオーダーです。
キャメルカラーのストライプ生地は、ウールにリネンとシルクを混紡したもの。通気性に優れるため清涼かつソフトタッチで、表面感が美しい春夏素材です。ボタンはあえてダークブラウンを選ぶことで胸元が引き締まった印象を与えてくれるのも特徴ですね。
ベージュのシャツ&タイをいうVゾーンメイクは、モダンナポレターノを標榜するティトアレグレットらしいコーディネート提案として。しかもタイはニットタイを選ぶことで、胸元に立体感を生み出しています。ボトムズは白のスラックスにスウェードのシングルモンクという合わせ方も、きっとティト・アレグレット氏本人がきっとそのままに纏うのではないかと思わせるものです。
・ティト アレグレット / 三織混 6ボタン ジャケット 185,900円
・フェデリ / コットン クルーネックニット 48,400円
・ベルウィッチ / ストレッチコットン BR別注 スコッチ 31,900円
・エンツォ ボナフェ / ゴールドビットローファー 126,500円
こちらは上掲と同じ三織混素材のオフホワイト。ややクリーム色がかった白無地のジャケットを、クルーネックのニットの上からさり気なく羽織る着方は無造作ななかにも繊細なウェルドレッサーらしいこだわりを感じさせてくれます。モードの先鋭的なシルエットと違って、サルトリア仕立てのワイドラペル、マニカカミーチャといったナポリの風情も、オフ白を気負わない一着に魅せるてくれるエッセンス。ボトムズはあえて白。オフ白×白という組み合わせは、ナポリスタイルの小粋な遊び心を感じさせる堂々たる装いです。
・ティト アレグレット / 三織混 3ボタン ジャケット 189,200円
・マリア・サンタンジェロ / ロンドンストライプ カッタウェイカラーシャツ 33,000円
・ブラン / サングラス / カーキ 31,900円
・フランコ バッシ / ペイズリーチーフ / ネイビー 10,450円
・ベルウィッチ / ストレッチ ウール&モヘア スコッチ / ブラック 39,600円
・エンツォ ボナフェ / ゴールドビットローファー 126,500円
こちらも同じ三織混のブラウン生地ですが、モデルはシングルブレスト。ダブルのもつ色気を引き継いだフォルムは、オンタイムより、オフのシーンに似合うシングルとなっています。ブラウンカラーは単色ではなく、白糸がメランジ調に浮くことで生地に奥行き感があるため、軽快で清涼な夏の一着に仕上がっている点もセンスの良さ。ブラウンと相性の良いワインカラーのロンドンストライプシャツをノータイで合わせたら、ボトムズは黒で引き締めてこそモダンナポレターノの真骨頂です。ポケットチーフを飾ることで、ちょっとしたドレスアップ気分も添えられています。
左から
・ティト アレグレット / ウール ホップサック 6ボタン ジャケット 173,800円
・ティト アレグレット / ウール&コットン 6ボタン ジャケット 165,000円
ここまで三織混生地のモデルをご紹介してきましたが、ティトアレグレットの新作ジャケットには、もちろんその他の素材でもラインナップがあります。左は生地に凹凸のあるウールホップサック、右はコットンブレンドの目付け300gという3シーズンミドルウェイト。ともにラペルのワイド加減が存在感を示すとともに、ボタンのセレクトにもこだわりが見られます。
このボタンは、ブラック×ゴールドのメタルボタン。市場にはほとんど流通していないボタン帳から、エージェントを通してオーダーしたものなので、他所ではちょっと手に入らない代物です。素材、ディテール、そして仕立てにこだわり、さらにコーディネートにも卓越した才能を見せるティトアレグレットのコレクション。洒落者のワードローブに加えるに相応しいクオリティを約束してくれます。
Director & Styling : 四方章敬 / Photographer : 渡辺修身 / Hair Stylist : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : BRUNO(THE MANAGEMENT) / Production Manager:佐々木利浩 (B.R.ONLINE) / Producer : 大和一彦 (B.R.ONLINE)