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トガオシ。Vol.346戸賀敬城はなぜ色柄ジャケットを選ぶのか

2024.12.19

スーツよりジャケット、ジャケットよりブルゾンやライダースのほうがしっくりくる時代。ジャケットでも、ニットジャケットやジャージージャケットが全盛で、良い仕立てのテーラードジャケットは趣味性の高いものとなっています。「それでもやっぱり男の定番はジャケットだよ」と仰られる戸賀さん。そんな戸賀さんが、“いま着たいジャケット”を語ってくれました。


男の定番ジャケットはネイビーから色柄へ

ガボ / カシミア ハウンドトゥース ジャケット¥315,700
ロレンツォーニ / ウォッシャブルウール クルーネック ニット ¥30,800
▲ ピーティートリノデニム / BR別注ブラックデニム

「そういえば最近、ネイビージャケットを着ていないね」と、ガボのハウンドトゥース柄ジャケットを羽織りながら戸賀さんが呟きました。2024年はライダースにブルゾンなど、従来のテーラードジャケットの常識が覆されて、新しいドレスコードが定着しましたが、すっかり大定番が縁遠くなったような?

「なんとなくネイビージャケットに、戻りにくいんだよね。オフィスにライダースが許容されたり、ニットジャケットが定着したなかで、いま大定番まで戻ることはないように思う。ちょっとデザインが利いていたり、色や柄で遊んでいるくらいが、なんとなく心地いい。むしろ定番はネイビージャケットから色柄ジャケットへ移行してる、そういう時代感なんだよね。」

ファッショントレンドは螺旋状といわれます。クラシックとモードをぐるぐると回りながらも、決して以前と同じではなくワンランク進化しているもの。ジャケットのトレンドが巡っても、以前とはどこか違って当然です。

「千鳥格子、ハウンドトゥースのように遠目にグレーなんだけど、実際はベージュ×ブラックなのでエレガントな色柄。しかも素材はカシミア100%なんだ。ハンドを多用するナポリ仕立ては着心地も軽くて、一見、ひと昔前のナポリっぽく着るのかと思わせながら、クルーネックニットにブラックデニムというシンプルな合わせ方が馴染む。こういうところがクワイエットラグジュアリーなんじゃないかな。」

たしかに以前のようにオトコの色気を強調するナポリスタイルではなく、ちょっとゆるめのシルエットからリラックス&エレガントなジャケット&デニムスタイルを構築するのは確かに今風です。肩の力の抜けたスタイリングこそ、リッチな都会の大人の基本ですから。

ライダース、ブルゾン全盛期だからこそ色柄ジャケットを着る

タリアトーレ / ウール&ナイロン ウィンドゥペン ジャケット ¥129,800
ロレンツォーニ / ウォッシャブルウール クルーネック ニット ¥30,800
ピーティートリノデニム / BR別注 ホワイトデニム パンツ ¥42,900

もう一着はお馴染みタリアトーレのアンコンジャケット。裏地を省きながらも着心地を左右する袖裏は採用。胸周りのボリュームを作る芯地には妥協のない、一枚仕立ての軽いジャケットはベージュに白のウィンドゥペンがじつに優雅。白が得意な戸賀さんには、もってこいの色柄です。

「このぐらい軽いジャケットはタイドアップするのはもったいない。ノータイのシャツ1枚でいいし、クルーネックのニットでもいいよね。今日はホワイトデニムにしたんだけれど、もちろんグレスラでもいい。そう、意外と色柄ジャケットって、スタイリングが簡単なんだよね。ブルゾンやライダースを脱いで羽織る感じでOKだから。」

ジャケット離れがすすんでいるといわれる時代に、違和感のないジャケットスタイル。それもこの明るいベージュのウィンドゥペンならではの成せる技といえそうです。ジャケットが全然堅苦しく見えないし、むしろ色柄を楽しんで着ている感じが伝わってきます。

「みんながライダースやニットジャケットを着ているとき、ひとりだけスーツでは浮いてしまうよね。でもこれぐらいのジャケットスタイルなら、ステータス性も保てるし、空気を読めるリーダーでいられる。服装って、周りに合わせて着るものだからね」

色柄ジャケットはスタイリングも容易です

ティト アレグレット / 四織混 チェック ジャケット ¥202,400
デ・ペトリロ / ハウンドトゥース ジャージー ジャケット¥198,000

これだけカジュアルアウターが蔓延してくると、戸賀さんが言うとおり、そろそろジャケットが着たくなる頃なのかもしれません。そんな折りに、BRではほどよくラグジュアリーでほどよくカジュアルなジャケットが揃っていました。

「ティト・アレグレットのチェックジャケットはブークレー調で起毛感もあって、冬ジャケとしてもレベルの高い表情だね。素材は四織混で、モヘアやカシミアも入っている。グレンチェックのようだけど、ちょっとアレンジされていて普通に見えて普通じゃないところもいいね。もうひとつのブラックブラウンのハウンドトゥースは、大好物のデ ペトリロ。なんとジャージー素材なので、ぐいんぐいんに伸縮する。スポーツウェアみたいに快適なのに、見た感じはペトリロらしいエレガンスもある。こういうジャケットだよね、今を象徴するのは。」

普段スーツ出社の人がジャケットを着るのと、普段ライダースの人がジャケットを着るのとでは、印象は異なるかもしれませんが、その中間にあるのが色柄ジャケット。ネイビージャケットしか持っていなかった方も、ライダースに移行できずに悩んでいた人も、その中庸をいくスタイルとして狙ってみるのもよいのではないでしょうか。案外、今のスタイルのまま着こなせますよ。

CREDIT

Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎

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