
2019.01.17
ニット好きな戸賀敬城がいま注目しているグランサッソ。ブランドのアイコンともいえるイントレチャートの編み柄ニットは、素肌に着られるぐらいのソフトタッチなうえ、誰でも簡単に冬のお洒落ができる一枚です。
▲ グランサッソ / ミドルゲージ イントレチャート編み クルーネック ニット
寒さも本格化して、普段はあまりコートを着ないという戸賀さんも今回はエンメティのダッフルコート姿。しかもダッフルなのにムートンとダウンをコンビ使いするという、なんとも存在感あるラグジュアリーなコートなのです。しかもインのニットが少々技ありです。その特徴ある“イントレチャート編み”は、グランサッソのニットですね。
「ファッション関係者にはお馴染みの編み柄は有名ですよね。わかる人にはすぐにわかるし知らない人にもなんとなくオーラを感じさせるニットだと思うんです。それに品質もすごく良くて、極上にやわらかいウールはカシミヤじゃないのに、ニットにありがちなチクチクしたタッチがない。だからカットソー代わりに素肌にも着られるんです!」
そう言われると今日の戸賀さん、外ではコンビダッフルの印象が強かったのですが、コートを脱いでもちゃんとニットに気合いが漲っています。よくある“アウター脱いだら、気配が消えちゃった”感じじゃないんですよね。遠目にもわかる編み柄は、自他共に認めるニットマニアの戸賀さんが認めたブランドだけあって、ほどよく主張していて存在感がしっかりあります。インナーニット1枚にも手を抜かない“できるオトコ”感が漂います。
「タイドアップしないジャケットのインに、普通のクルーネックニットを合わせるだけだと、ちょっとモノ足りないって感じる人もいるじゃないですか。そういう人でも派手な色柄のニットより、無地のイントレ編みのニットのほうが上品だと思うんです。」
なるほど、たしかにヘンな柄もののニットより何倍もスマートですよね。スカ◯とか、ス◯ルとか、◯カルとか…(笑)。冬のやりすぎニット警報発令ですよね。
「コーディネートは足し算しすぎないほうがいいと思います。ツイードのジャケットとかに合わせると、ちょっとトゥーマッチかな。シンプルなジャケットに合わせるぐらいがちょうどいい。1+1が2.5ぐらいになるんです!」
「冬って、ニットで足し算したい気持ちはわからなくもないんです。でもそれって、結構緻密な計算が必要だし、やりすぎちゃうと大人には痛々しいこと多いですよね。でもグランサッソなら1枚着るだけで超簡単。イントレ編みって、そういうところで使いやすいんです。カラバリも編み立ての種類も多いので、何枚か揃えてもいいと思います。」
例えば、タイドアップした時にVネックじゃなくてクルーネックニットを合わせる場合。ネックがちょっとユルいほうがいいとか、Vゾーンの差し色として使うなら何色がいいのかなんて悩みがちですよね。衿元にスカーフを巻いたり、タートルからシャツ襟をのぞかせたり、その分量もすごく細かく気を使わなきゃいけないし…。ケーブル編みだとクラシックになりがちですが、イントレ編みならほどよくモダンです。
「グランサッソって、イタリアでは超有名なニットメーカー。いろんなブランドのファクトリーをやってるのでサイズスペックとかも日本人向けに修正してくれているんです。だから1枚で着てもヘンにモタつかないし、シルエットもきれい。何枚か揃えておきたいニットの候補ブランドなんです。僕の大好きなスポーツカーにも似合うので(笑)。」
なるほど戸賀さんの服選びの基準は、クルマのシートに似合うかどうかも重要ですね。
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎