
2024.01.18
昨年あたりから再注目されているボリオリの「DOVER」。アンコンジャケットをメンズスタイルに定着させ、その後数多くのファンを産んだ傑作品が、いまあらためてファッション業界人に評価されています。戸賀さんも秋頃からDOVERに、ご執心の様子なんです。
▲ボリオリ / バスケット織り ウール 2B ジャケット/DOVER
▲ピーティートリノデニム / BR別注 ホワイトデニムパンツ
まだまだ寒さはこれからが本番ですが、ファッション業界はそろそろ春物が出回る季節。戸賀さんも今春のジャケットを物色中とのことで、ボリオリのDOVERを試着中です。
「クラシコイタリアのブームに息苦しさを感じ始めた2008年に、ボリオリのDOVERが誕生したんだよね。でも、いまではもっとユルい服もたくさん登場している時代。あらためて袖を通すと、DOVERもちゃんとした服の部類なんだよね。」
それまで正統と言われたフル毛芯仕立てのジャケットに対して、ユルさが新しかったアンコンジャケットを定着させた功績は、いまでもパイオニアとして評価される存在です。さらに今日テーラードジャケットですらドロップショルダー、ワイド&ロングなシルエットがトレンドな時代、クラシックの世界観も多様化しているなか、DOVERは大人の品格を保てるジャケットとして再評価されています。
「インナーはクルーネックでもタートルネックでも、もちろんタイドアップもできるし、スラックスもデニムもイケる。カジュアルジャケットが主流の時代だけど、自由度というか汎用性が高くて、クラシックとカジュアルの橋渡しをしてくれるDOVERこそ、本当に使えるジャケットなんじゃないかな。」
▲ ボリオリ / バスケット織り ウール 2B ジャケット/DOVER (ブラック/グリーン)
戸賀さんが着用されていた右のDOVERはグリーンのバスケット織り。そういえばアンコン仕立てとともに、ホップサックやバスケット織りをジャケットの定番素材に定着させたのも、ボリオリだったように思います。
「目付けは240gと軽量なんだ。見た目にカジュアルでいて、夏でも涼しく着られるのに、冬場に着ても生地感が寒々しくないところがいいよね。一年中着られるうえに、ボリオリは黒やネイビーといった定番色だけでなく、こんなニュアンスカラーの提案もしてくれるんだね。」
3シーズンといいつつ、実質通年活用できる4シーズンジャケット。クラシック全盛の時代なら「素材は季節感と合わせてこそ」と言われましたが、SDG's的ないまの時代、メンズファッションの新しい視点なのかもしれません。
「いま買って、長く着ることは、カッコ悪いことじゃない。そういう時代だからこそ、あらためて定番への回帰が評価されているんだと思う。でも、まんまド定番じゃ面白くない。そういう意味でもDOVERの新色・新素材を選ぶっていうのはど真ん中を突くな変化球といえるんじゃないかな。」