
2019.10.23
大人のコート選びの基本はテーラード型、いわゆるチェスターフィールドコートこそ、最善の選択であることはいうまでもありません。そのためのコート選びは、スーツの上から着てビジネススタイルに着ることができて、ジャケット代わりに一枚でカジュアルに着ることもできる着回し力あるモデルがマスト。そんなコートをセレクトショップのgujiで見つけてきました。
・タリアトーレ / チェスターフィールドコート
・ラトーレ / スーツ
・クルチアーニ / タートルネックニット
タリアトーレのカシミヤコートは、シンプルを極めたチェスターフィールド。ヘアリーな表面感には、ラグジュアリーな気分が漂います。じつはこのコート、gujiの別注モデル。しかも色柄や素材の載せ替えではなく、型紙から依頼したスペシャルなモデルなんです。
ポイントは2箇所。胸板の薄い日本人の場合、Vゾーンの深いチェスターは胸の吸い付きが甘く浮いてしまうことがあります。それを解消するために、前身のボリュームを削り、後ろ背幅を広げることで、胸へのフィッティングを向上させているんです。
そしてもう一点は着丈。ショート丈だとビジネスっぽいし、ロング丈ではモード過ぎるという不満を解消すべく、インラインから3cm裾丈を長くしてもらっています。この別注ポイントのおかげで、オンオフの着回しが、より効くようになっています。
この絶妙なフォルムの形成は、日本人体型を知っているgujiならでは。海外のブランドにこのサイズスペックでものづくりを依頼するのは、ロットの関係によっても難しいことなのですが、タリアトーレがgujiを信頼しているからこそ実現したもの。他所では買えない「特別」をご賞味ください。
そしてここでコートの下のスーツもご紹介しておきましょう。ラトーレのフランネルグレンチェックスーツは、低めのゴージとほんのり丸みのある細身シルエットが、スーツをやわらかな印象に見せてくれています。このぐらいソフトなルックスだと、タートルニットをあわせるスタイリングもサマになりそう。このスーツにタートルを合わせるスタイルを「ドルチェヴィータ」と呼ぶのですが、その意は「甘い生活」。なるほど、なんとなくその雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか。
・タリアトーレ / チェスターフィールドコート
・バルバ / 3Bジャケット
・ギ ローバー / ワイドカラーシャツ
・アット ヴァンヌッチ / タイ
・インコテックス / 1プリーツパンツ
もうひとつタリアトーレのグレンチェックコートを。こちらも先程と同じ別注モデルのコートですが、素材がカシミヤ混ウールとなったことで、ややフォルムがクッキリ出ているのがおわかりいただけるかと。そのためビジネススタイルもご覧のとおりエレガントに似合うようになっています。そこでタイドアップしたジャケット姿でコーディネートしてみました。グレーのトーンがやや深く落ち着いた雰囲気なところに、大柄のグレンプレイドという組み合わせも、大人の遊び心を感じさせる一着といえそうです。
・ベルベスト / ダブルチェスターフィールドコート
・ランベルト ロザーニ / クルーネックニット
・インコテックス / 1プリーツパンツ
軽く羽織るようなスタイリングが似合うこちらのコートはベルヴェストのポロコートです。普通、ダブルフェイス生地は生地を合わせ縫うため重たく硬くなりがちなのですが、カシミヤ混のウールを袋縫いにしてエッジを極力薄くしあげたこの素材は、まるで一枚生地のように軽くてしなやか。かつてパリの某高級メゾンで展開していたチェスターを仕立てていた頃のベルヴェストを彷彿とさせるラグジュアリーなコートになっています。表はネイビー、裏はブラックという配色はgujiの別注。裾が風に翻ったときに裏地の見え方が、同色ではなく別色であることに気づいたら、着ている人も、それに気づいた人も、かなりセンスある人といえそうですね。
Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 野口貴司 (San・Drago) / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : ASMIR.B (EXILES HYPE)